「肉球奏法」研究
私はクライマーなので、右手の爪が伸ばせません。
それもあり、ギターの指弾きは爪ではなく、指頭を使う「肉球奏法(いま名付けました)」です。
肉球奏法で最大の弱点は、爪弾きと比べて生音が小さいことです。 指先の「肉」で弦を弾くので、音が丸く優しくなるのは、それを望む人にとっては大きな利点ですが、音量が小さく遠くまで通りにくい。 また、硬く鋭い音は出しにくいという面もあります。
そして実はさらに大きな問題もあって、アルアイレの場合、肉球奏法では爪で弾く時よりも、弦と弦の間に深く指先を入れなければならないのです。
それの何が問題? と思うかもしれませんが、狭い弦間に指先を深く突っ込みすぎると、実際に弾く弦の一本隣の高音弦(親指の場合は低音弦)に、弾く指の爪の背が当って、その弦が振動中の場合は、「ビビッ!」という、耳障りなビビリ音が出てしまうことがあります。
また、指先は丸いために、弾くときに弦に当る時間が長くなりがちで、実音が出る前に前の音にミュートがかかり、レガートに弾くことが難しくなったり、これも僅かですが、実音とは別に指先が弦を擦るノイズ(マイクの柄をポンポン叩いたような音)が出てしまう事もあります。
さらに言えば、音量を稼ぐために、弦を強くハジキ過ぎることもあります。
つまり肉球奏法で良い音を出すには、指先のコントロールにやたらと気を使うわけです。
とりあえず生音の音量が必要なフラメンコやクラシックの人で、ギターを肉球で弾いている人は、今のところ見たことがありませんし、伝統的に甘く丸い、太い音を好むジャズの人でも、軽く爪を伸ばして、両方の良い所をうまく使っている人が、多そうな気がします。
そんな肉球奏法は、負の面が目立つことも事実ですが、そもそも音量に関しては、エレアコを使うなら問題ないわけですし、これにしか出せない音色があるので、いまどきならかえってもっと使う人が増えてもいいんジャマイか? と思います。
まあ、私も最初から爪が伸ばせる立場だったら、どうなっていたかわかりませんけど。
ちなみに爪併用ですが、肉球の割合がかなり多めと思われる例をご紹介(ナイロン弦)。
→Steve Howe師(Yes)の「Mood for a Day」(”こわれもの”バージョン)
※追記–はるか大昔に買ったきり、ほぼ寝かせていた「タルレガ・ギター教則本」というのをパラパラめくったら、肉球奏法(=指頭派)は、「Yema(イェーマ)流」と言うらしいです。